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蓮
「もっと自由気ままに生きていれば。」
死に際に遺した
老人の言葉が
胸に重くのしかかる
卑怯な奴等ばかりが得をして
正直者は馬鹿をみる
強く強く噛み締めた唇
悔しさに塗れた鉄の味
それぞれの道を歩いていても
立ち止まり同じ空を見上げる
命という名前の灯火が
燃える限り誰しも自由なのに
渋谷の交差点で
行き交う人 々 の波
一人一人にきっと壮大な
物語があるのでしよう
方言に時 々 混じった
東京の言葉を
「都会の女ゃな。」と
馬鹿にして笑っていた
あなたに今、会いたいのです
それぞれの道を歩いていても
立ち止まり同じ空を見上げる
向かい風になぎ倒されても
根っこだけは腐らぬように
それぞれの道を歩いていても
立ち止まり同じ空を見上げる
泥の上花咲く蓮のように
泥に染まらず,生きてゆく







